3MIX法は3種類の抗生剤（細菌を殺す薬）を混ぜ合わせた薬剤（3MIX）をむし歯になった部分に塗り、歯の内部を無菌化する新たな治療法です。
むし歯菌に感染した歯質を取り除くところは従来の治療と同じですが、削ると痛みをともなう箇所は残し、その部分の歯質に3MIXを塗布して残ったむし歯菌を殺菌していきます。
歯を削らず、痛みも少ないむし歯治療～3MIX法～
3MIX法とは
3MIXのメリット
- 治療中の痛みが少ない
- 麻酔を使わずに治療できるケースもある
- 歯を削る量を最小限にできる
- 歯の神経を温存できる
- 歯を長持ちできる
従来の治療との違い
従来のむし歯治療は「むし歯になった部分はすべて取り除く」というのが治療の鉄則となっています。なぜならばむし歯菌をわずかでも残してしまえば、治療後に詰めものや被せものの中で残った菌が増殖し、新たなむし歯が発生してしまうからです。しかしむし歯を完全に取りきるには、菌に感染している歯質とその外側の健康な歯もわずかに削りとる必要があります。
この方法で問題となるのが、神経近くにまで達するような大きな虫歯を治療する場合です。むし歯を取りきるために歯の神経ギリギリまで削らなければならないため、治療後に痛みをともなうほか、最悪な場合は神経を取らなければならないこともあります。
歯質を多く削ること、さらに神経を取ってしまうことは、歯にとって大きなダメージとなります。そこで過剰に歯を削るのを避け、残った細菌は薬で殺菌し、歯質や健康な神経を残せるようにするのが3MIXによるむし歯治療です。
3MIX法の手順
3MIX法では感染したエナメル質と象牙質の一部を取り除き、そこに3MIXを詰めてセメントで蓋をします。むし歯で柔らかくなった歯質は、器具で取り除く際にも痛みを感じることはありません。最終的な詰めものを入れたら、治療は終了です。
3MIX法の注意点
- 3MIX法はすでに神経にまで達した深い虫歯の治療では適用できません
- 3MIX法で症状が治まらない、あるいはむし歯の進行が止まらない場合は、従来のむし歯治療をおこなっていきます。
- 3MIX法は保険が適用できないため、自費診療となります。